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新たなる希望!井出四段vs渡辺竜王戦に学ぶ四間飛車・中盤編

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本エントリーでは、棋界屈指とも言われる新進気鋭のノーマル四間飛車の使い手・井出隼平四段初の著書「四間飛車 序盤の指し方完全ガイド (マイナビ将棋BOOKS)」から、あの渡辺竜王の居飛車穴熊を破った自戦記のうちの中盤戦を、井出四段側を先手表記にして、ご紹介させていただきたいと思います。

新たなる希望!井出四段vs渡辺竜王戦に学ぶ四間飛車」というエントリーにて対するサブエントリーの、第ニ回目になります。

はじめに

【第1図は前回の結果図】
http://shogipic.jp/v/M5e.png

前回は初手から第1図までの指し手をご紹介させていただきました。

藤井システム含みの駒組みから高美濃囲いvs居飛車穴熊に組み合い、10年前に当の渡辺竜王に殲滅されて下火の戦法の知りつつも、得意の1五歩+7八銀型で勝負を挑んだ、井出四段。

今回は、この続きからご紹介させていただきたいと思います。

きれいなさばきはいいことだ?

【第2図】
第1図からの指し手:▲7五同歩△同飛▲7八飛
http://shogipic.jp/v/M7W.png

▲同歩△同飛はこの一手として、私だったら▲7六歩とか打ってそうですが、▲7八飛。ここから△4ニ銀と固めに来ると井出四段は読んでいたそうですが・・・

【第3図】
第2図からの指し手:△7三桂
http://shogipic.jp/v/M7V.png

これは意外だったとのこと。次の△6五桂が角当たりになるため、これは「催促された形」。井出四段曰く、「この辺りから読み筋が少しずつすれ違っており、不安が増大していたことを覚えている」とのことです。

【第4図】
第3図からの指し手:▲6八角△7八飛成▲同銀△4五歩
http://shogipic.jp/v/M7Z.png

催促通り飛車交換をやらされてからの、角道を通す△4五歩。このあたり、なんとなく渡辺竜王の思惑通りに進んでいる感があるようにも見えますが・・・

【第5図】
第4図からの指し手:▲4五同歩
http://shogipic.jp/v/M7a.png

この▲同歩が面白い一手。普通は、▲同桂として両取りを狙いますよね。曰く、石井健太郎五段著の「四間飛車の逆襲 (マイナビ将棋BOOKS)」に似たような形があり、参考にしたとのこと。「(石井五段は)奨励会時代から四間飛車の様々な手筋や考え方を編み出しており、私も何勝させてもらったか分かりません。」とのこと。要チェックな書籍ですね!

【第6図】
第5図からの指し手:△9九角成▲7一飛△6五桂
http://shogipic.jp/v/M7d.png

大きく駒がさばけました。井出四段曰く、「四間飛車のコツの一つはきれいなさばき合い」ではありますが・・・セオリー的には、互角のさばき合いは玉形が固い方(つまりこの場合、穴熊)が有利。ご本人も「私は駒損の上相手は穴熊、まるでいいところがないようです」と述懐するほど。

しかし、以下の点から、一手違いにはなるという妙な安心感も、あったそうです。

  • 渡辺竜王側は陣形の不備、具体的には5三と4三の金銀の連携がいまいち。
  • 一段飛車+端攻めという、得意な形には持ち込めそう。

端攻めにかける

余談ですが、書籍では「端攻めに懸ける」となっています。「賭ける」が一般的かしら、なんて思いましたが・・・「懸命に端攻めする」(賭けではなく、自分の力を出し切る)という意味かも知れませんね、奥が深いです。

【第7図】
第6図からの指し手:▲9一飛成△9八飛▲7九歩
http://shogipic.jp/v/M7m.png

余談に加え私ごとですが、飛車で香を取るのって結構怖いと思ったことはありませんか?角のラインに玉と飛車(龍)が乗るため、結構うっかりやっちゃいます。平美濃だと特に、角桂必死・龍取りでトン死なんてことになりかねず。個人的に香をスルーすることが多いです。

・・・話を戻して、△9八飛からの▲7九歩。藤井先生曰く、「銀底の歩も(金底ほどではないものの)そこそこ固い*1」とのことですが・・・

【第8図】
第7図からの指し手:△7七歩
http://shogipic.jp/v/M7n.png

△7七歩からの追撃。井出四段曰く、今度こそ△4ニ銀から固めて来るかと思い、それ以外の手は全く読んでいなかったところに、△9八飛〜△7七歩。「(詰みまで)読み切れているから、守りを固めないのか?」と一瞬思ったものの、「むしろこちらが結構やれているから、攻め急いでいるのでは」と思い直し、勝負手を決行したそうです。

【第9図】
第8図からの指し手:▲1四歩△同歩▲1三歩
http://shogipic.jp/v/M7o.png

端攻め

です。△同銀とすると龍が突っ込んできますし、△同桂だと香が突っ込んできます。上に、3一の金が動けない駒になって、△3ニ香とか打たれると痛そうです。△同香としても△2五桂と跳ねて来る上に6八の角も利いていますが・・・何で行っても苦しそうなときは安い駒から行くのは、仕方がなさそうです。

【結果図】
第9図からの指し手:△1三同香▲4四香
http://shogipic.jp/v/M7q.png

ここで、第5図で▲4五同歩した手が、生きてきます

第6図では渡辺竜王やや優勢に見えていたのが、一気に井出四段優勢に見えてきました。恐るべし、端攻め。

おわりに

いかがだったでしょうか。実のところ、私は端攻めがヘタクソです。あんまり攻めのセンスがない上に、失敗すると取り返しがききづらく、反動も大きい端攻め。相振りならまだしも、対抗形だと自玉側の端を攻めるので、リバウンドが結構怖いですよね。美濃囲いって基本、端に弱いですし。そういう意味で、端攻めが得意な井出四段の将棋は、今後個人的に要チェックかなと、思いました。

というわけで、本エントリーの内容はここまでになります。最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

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参考書籍一覧

四間飛車 序盤の指し方完全ガイド (マイナビ将棋BOOKS)

四間飛車 序盤の指し方完全ガイド (マイナビ将棋BOOKS)

四間飛車の逆襲 (マイナビ将棋BOOKS)

四間飛車の逆襲 (マイナビ将棋BOOKS)

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*1:底だけに・・・なんでもありません。